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Tue Dec 2 04:00 PM
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秋の総選挙後に誕生したH政権が行政改革、財政改革などの6つの構造改革の一環として社会保障制度改革、日本版ビッグパン(金融大改とりわけ、日本版ビッグパンは、97年5月に先陣を切った外国為替管理法の改正(外国為替法の成立)によって、98年4月以降外為取引が自由化されることとなったことからも、強力に推進されなければ国内市場の空洞化をもたらしかねない状況となったそのため、Hの指示を受けて審議を続けてきた証券取引審議会、金融制度調査会、保険審議会(いずれも大蔵大臣の諮問機関)は、6月13日そろって自由化を目指す改革スケジュールを示した報告書を大蔵大臣に提出した。
また、これに先立って、96年12月14日には日米保険協議が決着を、その中で(外資系会社が得意とする第3分野の保険への生損保相互参入については激変緩和措置が講じられる一方)損害保険料率算定会の抜本的な改革(料率自由化)が盛り込まれた。
先の6月13日付けの「保険業の在り方の見直しについて=金融システム改革の一環として」と題する保険審議会報告も、この日米保険協議の方向に沿って損害保険料率の自由化を提言している。
生命保険業界は、今こそ当面の対応に追われるだけでなく、生命保険業のアイデンティティないし存在意義を見つめ直し、21世紀に向かってその力を回復し、発展を遂げていくための中・長期的なビジョンを描くことが不可欠である。
また、個別会社にとっても、逼塞した現状を打破し、働く者が一丸となって突き動かされるような明日のビジョンの策定とその実現のための経営革新が求められる。
第Ⅱ部の第三章では、生命保険業の存在意義を聞い直すため、社会保障制度改革など生活保障システムの変化、金融制度改革(日本版ビッグパン)ならびに金融業務のアンバンドリングなど金融構造の変化や情報通信技術革新といった21世紀に向けての生命保険業をとり巻く外部環境の変化について考察する。
生命保険業の市場構造の変化、資産運用や収支構造の変化などの生命保険業に内在する課題について検討する。
そして、第五章において、生命保険業界が21世紀のビジョンを構想する一助となればと念じつつ、その課題解決の方向を当面の対応と中長期的対応に分けて探ることとしたい(なお、そのための鳥轍図として図叩参照)。
今、わが国は21世紀に向けて加速する少子・高齢化、経済の潜在成長力の低下、家族の変容、国民の価値観の変化などのなかで巨額の財政赤字を抱え、年金・医療・福祉のあらゆる分野の社会保障の抜本的見直しを迫られている。
わが国経済・社会にとって最も深刻なのは、少子・高齢化の影響であろう。
1997年1月、厚生省の社会保障・人口問題研究所が公表した新しい将来推計人口は、予想を上回る出生率の低下により、高齢化のピーク時(2025年)には65歳以上が人口の3人に1人を占めるという従来より一層厳しい高齢化の姿を示している。
その結果、(貯蓄における遺産動機の見方にも係わるが一般的には)貯蓄率が低下し、経済の活力がそがれると見られている。
女性(とりわけ子育て期の既婚女性)や高齢者の就業を促す方向での年金・医療・福祉制度や経済構造改革がなされないかぎり、経済成長率の低下と国民負担率の増大によって社会保障制度の根幹が揺るぎかねない。
97年6月に、政府・与党の財政構造改革会議(議長・H)が6大構造改革の第一弾としてまとめた最終報告(今世紀中の3年間を「集中改革期間」として「一切の聖域なし」で歳出の改革と削減を進めるとしている)でも指摘されたように、年金・医療・福祉制度改革がまったなしの情勢にある。
これまで年金、医療の両分野ともに負担(保険料)の引き上げや給付削減を盛り込んだ改革が実施され、さらなる改革案が政府から次々と提示されている。
先ず公的年金については、1994年に抜本的な改革が行われた。
わが国の公的年金は、私的年金のような積立方式ではなく、世代聞の所得再分配としての賦課方式の色彩が強く、しかも給付水準(モデル)は、平均標準報酬の約7割、可処分所得の約8割となっており、諸外国に比べて高水準にある。
これまで、ある世代以前について拠出額を上回る給付を行ってきた結果、制度全体として将来清算すべき債務が膨大な額にのぼっているが、急速に進む高齢化と経済の低成長によりこの先送り債務の清算が不可能になりかねないと考えられたことが改革の理由であった。
94年の改革では、厚生年金について、ネット・スライド制(勤労世代の総所得ではなく、税・社会保険料負担を除いたネット賃金の伸びに応じた年金額の改定を行うことへの切り換え、5年毎の保険料率の引き上げ幅の拡大(2%から2.5%へ)および2001年度から60歳の支給開始年齢の段階的引き上げ(その問、60歳から64歳の層は部分年金に切り換え)等の改革が行われた。
また、国民年金についても95年の月額1万1700円から2015年以降月額2万1700円(いずれも94年価格)への保険料の引き上げが決まっている。
しかし、前述の社会保障・人口問題研究所の将来人口推計に対応して、厚生省が97年4月に公表した公的年金財政の試算によれば、より抜本的な制度改革がなされない限り、将来の保険料水準が従来の28%弱の水準から2025年以降には34%強にまで大幅に引き上げられる見通しとなった。
このままでは年金財政が破綻しかねず、拠出が給付を上回る将来の勤労世代から受け入れられない制度になりかねない。
このような状況を背景に、99年に予定されている大改革では、賃金のスライド制を廃止し物価スライドのみとする、支給開始年齢の65歳をさらに引き上げる、高額所得者中心に年金給付水準を切り下げる、国民年金の満額年金受給要件を40年拠出から45年拠出へ引き上げる、などの案が浮上している(前倒しで実施できるものは早めに実施することとされている)。
年金制度改革は、実はわが国にとどまらない欧米先進国に共通の問題でもある。
高齢化と経済の成熟化に対応して財政再建を図るため、米、英、ドイツなどは年金の支給開始年齢の引き上げ方針を打ち出している。
次に、医療保険の各制度は、近年軒並みに財政状況が厳しくなっている。
これは、1990年代に入ってから急増した国民医療費(とりわけ老人医療費)を反映して医療保険給付が高い伸びを示す一方、経済の低成長などにより保険料収入が伸び悩んでいるからである。
そのため、先の通常国会でも、老人保健制度の患者負担金の引き上げ、政府管掌健保と組合健保本人負担の1割負担から2割負担への引き上げ、外来の薬剤交付の負担金の創設などの医療保険制度改草が行われた。
なお介護については、高齢化により増加しつつある寝たきりや痴呆などの要介護者が今後さらに急増すると予想される一方、介護の役割を担ってきた家族が、同居率の低下、介護者の就労や高齢化、要介護状態の重度化・長期化などにより「介護地獄」という言葉に象徴されるような厳しい状態におかれている現実を踏まえて、97年春の通常国会で介護保険法案が衆議院を通過した(なお、介護保険とはいうものの半額は公費負担がある)。
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